Q.1 危機管理費について御質疑をさせていただきます。(2022年9月の)先日の一般質問で、関東大震災から百年目の来年にぜひ新地域防災計画というものをつくってくださいということで質問をさせていただきました。質問できなかった項目についてお伺いしようと思います。膨大かつ多岐にわたる計画の内容を見直して改定するというのは大変な作業になるかと思いますけれども、昨今の技術革新や時代の要請は明らかに大きな転換点を迎えておりますので、ぜひできるだけ多く新しいことを検討して入れてほしいなというふうに思いますが、少し私の質疑も長くなりますけれども、参考にしていただければと思っております。
最近の防災の言葉に「フェーズフリー」という言葉があります。日常と災害時の垣根をなくして、いつも使う施設や商品をもしものときにも役立てようとする取組でございます。荒川区でも何かフェーズフリーに役立てられるようなことがないかなと少し考えてみたんですけれども、例えば、荒川区では給水車を持っておりますが、夏のイベントのときに貸し出して使ったりとか、先日、茂木委員から河川敷のグラウンドのトイレの話がありましたが、スポーツ大会のときに給水車を使ってみるとか、あと、災害用のトイレを貸出ししたりすることもできるのではないかというふうに、ちょっと質疑を聞きながら思っておりました。現状の計画の中では六種類ぐらいトイレの種類が書いてあるのですけども、簡易トイレならもしかしたら使えるかなというふうに思って計画を拝見しておりました。最近では技術革新も進んでおりまして、水道も電気も要らなくて、車で牽引して移動できるようなコンテナみたいなトイレも開発されているようです。私も防災訓練に行くのですけれども、災害用のトイレで実際に用を足したことはないのですが、時々使うようなことがあれば、災害時にも慣れて使えるようになるのではないかと思いますが、区が持っている災害用設備をイベント等で活用して、ふだんから区民の方々に慣れていただくことについてはいかがお考えでしょうか。
A.1 フェーズフリーに関する御質疑をいただきました。最近、日常と非常時の二つのフェーズからフリーになるといった意味でのフェーズフリーにつきましてはいろんなところで使われ始めているといったところは認識してございまして、今、明戸委員から御質疑をいただきました給水車であったり、災害時のトイレであったり、そういったものを平常時に区民の方に使っていただくという、そういった視点は本当に重要かと考えてございます。我々は、避難所開設運営訓練であったり、また、町会の皆様が実施する防災訓練等にも出向いて、いろいろと協力をして一緒に行っているところでございます。その中で簡易トイレを配布したりということはやっておるんですが、あとは、マンホールトイレの設置ですか、そういったことはやっておるのですが、今、御質疑にあった、給水車を実際使ってみると。これは、他の自治体とかの訓練に参加してみますと、実際に給水車から水を出してポリタンクに入れたもの、それを市民の方に渡して、市民の方に実際のイメージを持っていただくみたいな、そういった取組をやっているような自治体もございますので、今後の我々の避難所開設運営訓練ですとか、町会と連携して行う防災訓練等において、何かしら取り入れられることがあるのではないかと考えてございますので、今、御質疑にあったフェーズフリーという観点を持ち合わせながら、今後も様々工夫してまいりたいというふうに考えてございます。
Q.2 防災訓練のみならず、例えば、川の手荒川まつりとかも活用できる機会ではないかというふうに思いますし、トイレも、使ってみた結果、においがちょっと臭いとか、メンテナンスが大変という課題が出てくれば、その後の改善につながる可能性があるのかなというふうに思っております。
トイレなんですけど、水道も電気も引かなくていいという新型のトイレは、例えば、河川敷のグラウンドの大会などで活用する機会が結構あるのではないかというふうに思うんですが、購入する気はないでしょうか。
A.2 委員からも、近年の技術革新は目覚ましいものがあるといった中で、今御紹介いただいたコンテナ式のトイレは、我々も、物を確認して、金額等を確認したというところがまだできていないという状況でございますので、ちょっと我々も研究させていただければと考えてございます。
Q.3 ありがとうございます。検討に値すると思いますので、よろしくお願いします。
次に、川と空を活用した計画についてお伺いします。地域防災計画の中ですと二百六ページ辺りに出てくるんですけれども、ヘリポートになる場所と船着場になる場所が掲載されているだけで、目的としては、物資輸送が今、メインで書いてございまして、過去の災害対応などを拝見しておりますと、ヘリコプターについては重症患者の搬送の例があると思いますし、船については透析患者のための施療をする機能を持たせた船というような、そんなアイデアなどが昔からありますし、先日、中島委員からも、船を活用して給油するというような案もありましたが、現状は1ページほどしか書いていないのですけども、計画の中身を充実すべきと考えますが、いかがでしょうか。
A.3 船とヘリコプターの活用ですね。地域防災計画上、本当に少ししか載っていないといった状況でございます。また、東京都のほうの地域防災計画にも、具体的な活用方法とか、そういった詳細な記述はないといった状況でございます。ただ、今、明戸委員から御指摘いただいたとおり、災害時、例えば河川であれば、傷病者の緊急搬送ですとか、物資の輸送等、先日、中島委員からも御提案があった内容につきましても、活用できるポテンシャルは高いというふうに認識してございます。また、空路を使ったヘリコプターの活用につきましても、こちらもやはり、傷病者の緊急搬送であったり、物資の搬送等においても非常に重要だというふうに認識してございますので、今後、地域防災計画を改定していく中で、現在もですけども、水上ルートをどのようにうまく活用していくかというところで、国や都が参加するような検討会にも参加しておりますので、そういったところの議論をしっかり注視して、我々も計画に具体的に盛り込める内容があればどんどん盛り込んでいくといったことで取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
Q.4 ぜひ充実のほうをお願いいたします。計画の中では61ページ、資料の中では71ページに「九都県市公共建築物におけるヘリサイン表示に関する申し合わせ事項」ということが実は載っていることを先日発見いたしまして、学校とか病院とかの公共施設の、ある程度面積がないとできないと思いますけれども、ヘリサインが表示できる施設の整備についてもぜひよろしくお願いいたします。
次に、受援計画にオープンデータを活用することについてお聞きいたします。現在、荒川区のホームページを検索しますと、オープンデータカタログというページがありまして、町丁別の年齢別人口一覧や世論調査、固定資産台帳、公衆無線LANアクセスポイントなどのデータがまとめてページとして出てくるんです。災害時にオープンデータ活用を過去にされたことがありまして、東日本大震災のときに、そういったオープンデータを基に企業や団体が支援活動を展開したということもありました。このときの教訓から、二次利用を可能な形でデータ公開をするという官民データ活用推進基本法という法律も国のほうではできました。災害時に必要な公衆トイレ、公園、消火器、消火栓、防火水槽、避難所などのオープンデータを荒川区でも公開すれば、常時公開することが難しければ、非常時だけでも公開できるようにしていただければ、民間のそういった受援が見込めるというようなこともあるかと思いますけれども、そういったことについて区ではどうお考えか、お聞きいたします。
A.4 オープンデータに関する御質疑にお答えいたします。活用事例として我々が確認できているものとしては、全国避難所ガイドというものがございまして、全国の避難所データベースを十五万件以上収録して、災害が起こった際に、例えば旅行者とかには非常に役に立つツールだと思うんですけども、現在地の近隣の避難所とか、そういったものを自動検索すると。そういったものがオープンデータを活用した民間事業者による活用例、これはアプリですね。その作成というものを実例としては認識しているところでございます。また、ほかの自治体を見ますと、明戸委員からおっしゃっていただいたとおり、トイレですとか、また、消火栓の場所ですとか、避難所のみならず、一時集合場所ですとか、広域避難場所等の場所をオープンデータ化しているようなケースもございます。また、明戸委員からおっしゃっていただいたとおり、東日本大震災の際には、そういったオープンデータを活用して企業や団体が支援活動を行ったという実績もございますので、今後、どういったものをオープンデータ化すれば、そういった形で災害時に受援をしやすいのかと、そういった視点もしっかり持って、オープンデータについては、ほかの自治体の事例等も参考にしながらしっかりと検討してまいりたいというふうに考えてございます。
Q.5 災害時受援応援ガイドラインという荒川区でつくっておりますものを見ておりますと、人と物資についてはあるんですけれども、今後、デジタルでの支援ということもこのガイドラインの中に項目として入れていただいて、体制を取っていただければなというふうに思っております。
次に、避難所、あるいは避難についてお聞きいたします。
先日、地元の小学校で開催された避難所開設訓練に参加してきました。コロナ禍の影響で今年もあまり実施はされていないようですが、数少ない二つあったうちの一つということでございます。以前の訓練にも参加しておりましたので、比較いたしますと、今回は本当にちょっといいなと思って、そういった感想を持ったのですけども、その理由といたしましては、避難所になる小学校の担当者が二人、教育委員会の職員でしたが、名前も言って自己紹介もしていたということがよかったと思いますし、より町会の皆様の自主性を促すような訓練になっていたこともよかったというふうに思います。
先日、竹内委員から自主避難についての質疑もありましたけれども、昨年あたりからコロナ禍で分散避難という言葉も出てきておりまして、自宅避難や自主避難、指定外避難という言葉もあるようですが、小学校とかの指定避難所のほかに指定外避難をしている人という、そんなことですけれども、こういったことも、全ての被災者の方が指定避難所に収まる数かと言われると、確かに入れない方もいらっしゃるように感じておりますので、最初から計画の中に位置づけておく必要があるのではないかというふうに考えております。まず、自宅避難をするには、応急危険度判定が終わって、自宅が安全だということが確定しないと避難所から自宅へ移動できないというふうに思っております。まずは応急危険度判定をしなくてはいけないのですけれども。また、自宅のみならず、最近はキャンプがはやっておりますけれども、特にお子さんやペットをお持ちの御家庭では、テントを張ったり、車中泊を選択される方もいるのではないかというふうに思います。
先日、ちょっとしたワークショップに参加してきたのですけど、ピースボート災害支援センターの方々の調査によりますと、自宅、車といった指定外避難をされている方々が困るのは、食料と物資と情報が届きづらい、トイレやお風呂が使えないということがあるようです。断水していた場合ということですけどもね。ちなみに、最近では水のろ過技術も進んでおりまして、ドバイ万博や、2019年の台風19号で千曲川が氾濫した長野市の避難所で、14台設置されたウオーターボックスという、お風呂ではないですけど、水再生循環型ポータブルシャワーキットというものが登場しておりまして、二人分の水で百人がシャワーを浴びられるというような技術も出てまいりました。そういったことも検討に値するかなと思いますので、ぜひそこもお願いしたいと思いますが、こちらは質疑ではなくて要望ですけれども、いずれにせよ、自主避難、自宅避難の方々が指定避難所へ、計画の中では食料や物資を取りに行くということになっていたかと思いますが、間違いはないでしょうか。
A.5 自主避難者への対応といった御視点での御質疑かと存じます。まず、自主避難をされているような方々につきましては、区が開設する指定避難所において物資等をお渡しするといったところが原則でございますので、特に発災当時の混乱期におきましては、そのような原則を守っていただくといったところが基本的な考え方でございます。
Q.6 避難所の中には一次避難所、二次避難所、福祉避難所という三種類がありますけれども、全てが指定外避難者の支援センターになるのかどうか、お聞きします。
A.6 基本的には、まず、やはり一次避難所のほうに物資というものが集まってくるというふうに考えてございますので、一次避難所のほうに来ていただくといったところが基本的な考え方になるというふうに認識してございます。
Q.7 そうすると、三十七か所の一次避難所ということですね。
一次避難所に寝泊まりしている方は、登録カードを書いたりなんかして、人数が確認できると思うんですけれども、指定外の自主避難をされている方の数はどのように把握すると想定されておりますでしょうか。
A.7 避難をされている方々は避難者カードを書いていただいて、今の御指摘のとおり、避難所のほうで把握をさせていただきますが、在宅避難等をされている方も避難者カードをお持ちいただいて、自分の居場所等を明らかにしていただいて、ここに避難していますといったところを同じように避難者カードを持って提出していただくといったところで対応をしていくというふうに考えてございます。
Q.8 計画と実際はなかなか合致しないものでありますので、ぜひ柔軟に対応していただければと思いますし、こういったことを人海戦術でやるのか、デジタル技術でやるのかということは、また検討して、より少ない労力で最大限の区民に対するサービスができるといいのかなというふうに思っております。
災害時に必要なものとして十年前と大きく違うのは、スマートフォンの普及かなというふうに思います。使う方もたくさん増えておりますし、生活ツールとして大変大きなウエイトを占めてきているというふうに認識しております。昨日、土橋委員からも質疑がありましたように、最近は太陽光充電器とか、ポータブル大容量蓄電池なども販売されておりますけれども、各避難所で充電ができるような支援がスマートフォン会社と協定を結んでできないかなというふうに思います。避難が長期化する可能性というものも考慮に入れるべきではないかと思って、こういった質疑をさせていただいておりますけれども、スマートフォン会社と協定を結ぶことについてはいかがでしょうか。
A.8 十年前と大きく変わったのはスマートフォンの活用だという点は、我々も同じような認識でおります。また、現在、あらゆるところでスマートフォンの充電ができるようなスポットというものができてございます。また、例えば避難所等にそういったものがあれば、災害時に充電をしてもらうことができると、そういった視点かと存じます。スマートフォンの事業者も様々ございますので、どういった形で避難所において区民の皆様が充電をしていただけるのか、安心してスマートフォンを継続的に使っていただけるのかという視点は本当に重要だというふうに認識してございますので、今後、どういった形でそういった体制を整えることができるかは、関係所管ともいろいろと相談しながら進めていきたいというふうに考えてございます。
Q.9 ぜひよろしくお願いいたします。避難所についてはここまででございます。
今年九月一日に東京都により広域避難場所の指定の見直しが行われて、荒川区では尾久・田端駅周辺一帯が解除となり、新たに北区の堀船地区が指定されたということでございました。区としては、あらかわ遊園・宮前公園一帯を広域避難場所として指定されるように東京都に要望を出していたことと認識しております。今回の見直しに当たり、区としては、整備が進む宮前公園を一時集合場所として追加指定し、活用していくようですけれども、広域避難場所も区外でなく身近な場所にあることが区民にとっての安心・安全につながるのではないかというふうに思います。今の防災マップを見ても、マップの中にない形になっておりますので、どこに行ったらいいのだろうかというふうに西尾久の方はきっと思っているというふうに思います。多分、堀船の結構大きな公園みたいなところがあるので、そこなのかなというふうには少しだけ想像しておりますけれども、今回、この指定が要望どおりにはならなかったという一番の理由は何でしょうか。
A.9 まず、広域避難場所が変更になって、今現在、マップに記載がないといった御指摘について御答弁いたします。
この間、各該当町会の町会長の皆様には一人一人に御説明をさせていただいて、一時集合場所にも追加指定をさせていただくと、そういった話を丁寧にさせていただいたところでございます。そういった経過を踏まえた上で、防災地図を今、修正を行ったと。もう間もなく上がってきますので、その点に関しましては速やかにホームページのほうにアップさせていただきます。さらには、これも各町会長の皆様とお話しして、決定をさせていただいたのですけども、該当する町会の皆様には全戸配布ということでこの防災マップを配布させていただきますので、そこの辺の周知につきましてはきっちりと我々はやらせていただきたいと存じます。
また、我々の要望が通らなかったという点につきましては、これまであらかわ遊園・宮前公園一帯を広域避難場所として指定していただくように東京都のほうに要望は出してまいりましたが、なかなか安全な面積が確保できないといったようなところで、指定には至らなかったと。ただ、今回、宮前公園の三期工事までが終われば、その安全面積をしっかり超えるといったところは、しっかり我々も東京都の見解をいただいておりますので、次回の指定においては確実に指定していただくように、強く引き続き要望をしてまいりたいというふうに考えてございます。
Q.10 それでは、次の指定では必ずあらかわ遊園・宮前公園一帯が広域避難場所になるということを改めて強く都に要望していっていただければというふうに思います。
やっと最後のほうに近づいてまいりましたけれども、デジタル化と復興計画については一般質問のほうで質問をさせていただきましたので、繰り返しませんが、言い残したところで言いますと、国のデジタルシステムを導入して罹災証明を早く出すということを目指すということで御答弁をいただきましたけれども、建物を見に行って判定する人が現地に行く作業というのはまだまだ時間がかかることですが、最新の技術ですと、ドローンとAIを組み合わせて、そういった調査を支援してくれるシステムが既にあるようですので、そういったことも御検討いただければというふうに思います。
いざ災害が、特に首都直下型地震を想定して今回は質疑をさせていただきましたけれども、発生した際には膨大な作業を同時並行で行っていかなくてはいけないと思います。全体を見回すタイムラインとか、そういう作業フローみたいなものもこういう計画に盛り込んでいただけると、いざというときに不測の事態で変更になったとしても、作業を進める上で助けになると思いますけれども、現状、今も地域防災計画以外にガイドラインとかマニュアルとかがたくさんあることは存じ上げているんですけど、全てを把握していないというか、頂いていないような気はいたしますが、こういったタイムライン、作業フローの資料というものは既にあったりするのでしょうか。
A.10 明戸委員に先ほど御紹介いただいたドローンやAIを使ったというところは、様々技術革新が進んでいて、活用できるものは我々も引き続き活用していく方針でおりますので、調査研究を進めていきたいと思ってございます。
また、作業フローですね。具体的にこういった事業をこのように進めていくという、そこまで具体的なものはしっかり計画の中では具体化されていない部分がやっぱりありますので、今度の改定の際にはそういったところもしっかり盛り込んでいけるように、しっかり関係所管とも連携していきたいというふうに考えてございます。
また、明戸委員から先ほど、冒頭、避難所開設運営訓練のお褒めの言葉をいただきまして、本当にありがとうございます。我々、区のほうでは避難所開設に当たる職員の数も増やさせていただきまして、全庁的な協力体制をつくっております。可能な範囲で全ての避難所の開設運営訓練に担当職員を派遣させていただいて、町会と連携した避難所運営をしていくといったところを目指してございますので、そういった意味では、今後、多くの職員が避難所開設運営訓練のほうに参加させていただく予定となってございますので、よろしくお願いいたします。
改定のほうも、避難所開設訓練のほうも頑張っていただければというふうに思います。まずは、一人の犠牲者も出さないこと、そして、復興が早ければ早いほど心のダメージは小さくなるんだと思いますので、ぜひその点も考慮して地域防災計画の改定に臨んでいただければと思います。以上です。
(令和4年度9月会議 決算に関する特別委員会より)