自民党の明戸まゆみです。自民党荒川区議団を代表して質問させていただきます。機会をお与えくださいました同僚議員の皆様に大きく感謝申し上げます。
最近、『サピエンス全史―文明の構造と人類の幸福』という本を読み終えました。詳述はしませんが、それぞれは弱い我々ホモ・サピエンスが、言葉を通じて共通目標を持ち、協力することによってここまで生き延びてきたことが理解できる良書でありました。今回の質問は、この本から多くの刺激をもらっております。
これより、質問に入らせていただきます。大きく7項目にわたり質問をさせていただきます。
まず初めに、区の財政運営についてお聞きします。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、ロシアによるウクライナ侵略によって引き起こされた世界規模の物価高騰も続いており、区民の皆様や区内事業者の方々は非常に厳しい状況におかれています。
こうした状況に対し、区として、6月会議での補正予算に引き続き、本定例会でも補正予算を編成するなど、区民が健康で安心できる生活を守るための対策について、確実に予算対応していただいていることを高く評価しています。
このように足下の対策に迅速に対応することも重要ですが、他方で中長期的な見通しをしっかり見据えながら、計画的かつ安定的な財政運営をどう進めていくかという視点も持ち併せておかなければならないと思います。
先日、財政当局とも意見交換させていただきましたが、区の中長期的な収支の見通しを示す財政フレームでは、施設の老朽化対応等により、今後15年間でいくつもの大きな財政需要の山が見込まれるとのことでした。それらに対して、区としてどのように財政的な備えを進めていくのか、今から個別具体的に検討していく必要があると考えます。改めて、今後の財政運営について、区としてどのような考え方の下行っていくのか、西川区長にお伺いいたします。
続きまして、新型コロナ対策等で、今後のワクチン接種事業についてお伺いいたします。新型コロナ第7波は過去最大の感染拡大となり、保健所を始め区の職員の皆様は本当に大変な思いで対応に当たってきたと思います。そのような中、区はいち早く、24時間365日の医師の往診体制や抗原検査キットの備蓄など、区独自の支援策の強化に積極的に取り組んできたことは高く評価するとともに、区の努力に改めて敬意を表します。
ここにきてコロナ第7波はようやく減少傾向となってきましたが、感染の波は繰り返されるものであるとはこれまでの歴史が証明しています。
今回の補正予算で提案されているように、季節性インフルエンザとの同時流行に備えて、区独自のコロナ病床の確保や発熱外来への補助を継続して実施するなど、支援体制の強化に取り組んでいくことは大切ですので、国の制度変更などの動向はしっかり踏まえながら、引き続き、油断することなく、強化に努めてもらいたいと考えます。
感染予防の決め手であるワクチン接種について、先般、国がオミクロン株対応の新型コロナワクチン接種について、当初10月から開始する予定を9月へ前倒して、4回目のワクチンを切り替えて実施すると自治体へ要請したとの報道がありました。3回目までで未接種の方もおり、少なからず混乱が生じかねないと危惧しております。加えて、秋冬を迎えるに当たり、季節性インフルエンザの流行が確実視される中、ワクチン接種との関係はどうなるのか、気にされている区民も多いと思います。
これらを踏まえ、区にはオミクロン株対応のコロナワクチンとインフルエンザワクチンについて、最新の正しい情報を、区民に分かりやすく提供してほしいと考えますが、いかがでしょうか。
加えて、インフルエンザワクチンの接種について、ご高齢者が対象の定期接種は令和2年度に続き今年度も無償化されるようですが、乳幼児でも重症化が懸念される疾患を有する方を対象に補助を行うことについてはいかがかでしょうか。
また、ここ近年、区民の方で帯状疱疹に罹って苦労している声を伺っています。50代から急増し、80歳までに約3人に1人が発症するといわれており、発症数、発症率は年々上昇しています。帯状疱疹は目や耳、顔面神経痛等様々な合併症により、長期にわたりQOLが低下することが少なくないため、50歳以上を対象に帯状疱疹ワクチンの費用助成ができないかと考えます。費用は医療機関によっても異なりますが1回の接種で5000~7000円程。また、ワクチンの効果は1回接種で10年前後だそうです。テレビで帯状疱疹ワクチンのCMを見る機会も増えました。区の見解をお伺いいたします。
次に、子ども達の笑顔のために、子育て支援についてお聞きします。現在の子育て環境を見ると、少子化や核家族化の進行による孤立のほか、共働きの増加等の社会経済構造の変化と合わせて、子育て中の家族やこれから子育てを希望する方々にとって、厳しい状況になっていると認識しています。
こうした中、これまで区が取り組んできた切れ目のない子育て支援をはじめ、待機児童の解消、児童相談所の設置などの子育て施策を改めて評価いたします。近年、「子どもを育てるなら荒川区」として認知されてきたのは大きな成果です。
ただ、コロナ禍で収入が不安定になりやすい中、新しい家族を迎えるにあたり不安に感じている人もいると思います。今年6月、岸田首相は記者会見で、来年度から出産時に公的医療保険から支払われる出産一時金を「私の判断で大幅に増額する」との方針を示しました。現在は子ども1人あたり全国一律42万円ですが、実際出産にかかる費用は46万円~52万円という調査もあり、都市部で産科が少ない荒川区では必ずしも病院を選べないという状況もあります。
都内の医療機関での出産費用が、年々増加し、出産一時金を大幅に上回る請求があると、もう1人産むのを躊躇するという区民からの声もいただいております。渋谷区では、安心して出産できるようハッピーマザー出産助成金として1人あたり10万円を支給しているそうです。この出産費用の経済的負担軽減策について、区の見解をお伺いたします。
昨年9月に、いわゆる「医療的ケア児支援法」が施行され、国や地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、保育及び教育分野での支援拡充や日常生活における支援を家族も受けられるよう、必要な措置を講じることとなりました。
この法律は、超党派の国会議員でつくる「永田町子ども未来会議」が法案をまとめ、議員立法として国会に提出したものであり、その中心的メンバーに、我が党の国会議員、野田聖子氏がいます。彼女は、医療的ケア児を育てる母親でもあり、5年間、議論を積み重ね、法律には当事者の思いも込められるものになりました。
自民党荒川区議団としても、医療が進歩し、在宅での医療的ケアが必要な子ども達が増える中、社会参加の促進や地域での生きがいを持った生活を送ることができるよう、障害、保育及び教育などの各分野における支援の充実を繰り返し要望してきました。
今年の2月会議で、我が党の土橋議員から、令和4年度における荒川区の医療的ケア児等に対する支援策について、区から答弁をいただいた通り、本年度予算を「区民の健康と暮らしを支え、笑顔を取り戻す予算」として、その重点施策の一つに、「医療的ケア児等への支援」を位置付け、相談やサービス利用に向けた総合的な支援等を行う医療的ケア児等地域コーディネーターの配置や、医療的ケア児と暮らす「きょうだい児」を養育する家庭にホームヘルパーの派遣など、新たな取組を開始しているところです。
法律ができて、まだ始まったばかりなのに、荒川区として、医療的ケア児等への支援について、迅速に対応したことは評価いたします。
一方で、医療的ケア児に対する看護師派遣制度については、支援が十分に行き届いていないのではないかと考えています。今後も、更なる取組を充実してほしいと考えますが、看護師派遣制度を含め、現段階での進捗状況についてお聞きします。
次に、アフター・ウィズ・コロナ:心の復興として。国の行動制限も緩和されてきた中で、区民の方々とお話すると、気分が沈んでいる方がいます。区民が元気の出ることを区ができたらと思い、質問させていただきます。
来年4月から、生涯学習センターは区の生涯学習の拠点として、生涯学習センターと荒川コミュニティカレッジを再編・統合し、その施設が果たす役割をより充実させていくと報告がありました。
今後は、これまでの一般教養講座だけでなく、区民が自ら講師となり学び合う講座や地域を巻き込んだ交流イベントを実施するなど、区民の生涯学習推進のために、様々な新しい事業が行われると聞いており、大変楽しみにしています。
この生涯学習センターの再編・統合を契機に、古い施設の外壁にアートペイントを施し、リニューアルにふさわしい施設にすることはできないかと考えています。デザイン案を考えるに当たっては、普段生涯学習センターを利用している方や、団体、子ども達やコミカレ卒業生も入れて、3グループ程度に分けて案を考えてもらい、区長さんや部長さん、地域の町会長さんが審査員となり、コンペ形式にして、より良いものを目指すこともできると思います。そして、実施はワークショップ形式とすれば、参加者同士の交流が生まれ、地域の活性化にもつながります。自分が参加したアートペイントがセンターに残ることで、施設への愛着も生まれると考えます。
さらには、センターの教室や廊下のサインも含めて、道路から3ヶ所の入口を通って施設へ案内するサインを工夫することで、センターへの道のりも分かりやすく、利用者がさらに足を運びやすくなると考えています。コミカレも発足から10年以上経ちました。荒川区民の合意形成とデザイン力の向上の成果が発揮されることが期待されます。こうしたことを新たな生涯学習センターで実施してほしいと考えていますが、区のお考えをお聞きします。
次に、今年の予算特別委員会で「社会的処方」について質問しましたが、孤独対策としての本の紹介、レファレンスの充実についてお伺いします。区は平成30年に「読書を愛するまち・あらかわ」を宣言し、今後条例化も検討。図書館は、調べ物、学習、読書、休憩といった幅広い用途で、多くの方々にご利用いただいていますが、図書館のあまり知られていないサービスとして、利用者のリクエストに応じて、調べもののお手伝いをしてくれるレファレンスがあります。障害のある方には本の宅配もしてくれるようです。それを発展させて、利用者の悩み事や相談事に対し、その一助となる本を紹介するといったサービスを開始してはいかがかと思います。読書を愛するまち・あらかわの「社会的処方」として、孤独孤立対策等の課題解決に「本」を役立てれないかと考えます。
昨今のコロナ禍における閉塞した状況においては、心が軽くなる本、元気が出る本の他、利用者の悩み事の解決に資する本など、様々なニーズがあるのではないかと考えます。そういったニーズに応え、個人の課題解決ができる施設として、図書館をさらに活用していくため、このようなサービスも開始してPRしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、地球温暖化 対策についてお伺いします。今年の夏も記録的な猛暑となりました。東京都心では、6月25日に観測史上最も早い猛暑日が観測され、その後9日間連続で猛暑日となり、これも観測史上最長でした。地球温暖化は確実に進行していると改めて感じます。
今年の2月会議で、現在は議長の志村議員からの「脱炭素社会 実現に向けた取組」についての質問に対し、区は地球温暖化 対策実行計画の削減目標の見直しや、気候変動に特化した新たな条例制定に向け、準備を進めているとの答弁がありました。
荒川区は2050年のゼロカーボンシティを目指すことを表明しています。これに基づき、今回の計画で区が「脱炭素社会」へ転換していくための対策を具体的に示し、実践していくことが重要と考えます。新たな地球温暖化 対策 実行計画及び気候変動に特化した条例等の策定の進捗状況についてお伺いいたします。時期も含めてお答えください。
次に、プラスチック回収のモデル事業をはじめとした清掃リサイク事業の課題と方向性について伺います。気候変動とともに地球規模での課題となっているのが、海洋プラスチックをはじめとしたプラスチックです。プラスチックの使用量を減らしつつ、資源としてリサイクルさせていく循環型社会の形成が必要不可欠であると考えます。
他自治体では、プラスチック等回収の際、収集車両や清掃工場等で製品の中のリチウムイオン電池等が原因とされる火災事故が発生するなど、課題もあると聞いています。プラスチック回収をする際には、これまで以上に注意が必要と考えます。
現在、区では「一般廃棄物 処理 基本計画」の今年度の策定に向け、策定作業を進めており、私も委員の清掃審議会でも議論しています。今年4月にプラスチック資源 循環促進法が施行されたこの時期を好機と捉え、先に述べたプラスチック資源に対する取り組みを含めた計画を策定することが重要だと考えますが、計画策定の進捗状況についてお伺いいたします。
併せて、令和4年3月から実施しているプラスチックのモデル回収事業について、これまでの回収実績とともに、事業の課題やその対策について、見解を伺います。
プラスチックのモデル回収の対象を拡大し、全域での回収を早期に目指してほしいと考えますが、世界的な半導体不足等による清掃車両の調達が難しいと聞いています。さらに、区民が地球環境や資源循環型の社会づくりへの取り組みに関心を持てるよう、これまでの資源の分別に加え、プラスチックを分別するめの新たな啓発活動などの業務も必要になると思いますが、区の考え方をお聞きします。
これからのまちのデザインとして、はじめに、町屋さくら廃止後の代替交通についてお聞きします。
町屋さくらが本年3月をもって廃止となりました。区はコミュニティバス導入当初から、運行補助については行わないという方針で、コミュニティバス事業を町屋では民間運営で約9年半の間行ってきましたが、町屋さくらの乗降客がコロナ禍で半減したため採算性の問題から廃止を余儀なくされました。
これについては、町屋さくら沿線のみの問題ではありません。人口減少は公共交通と共存できないのは地方の例を見れば一目瞭然、そして、高齢化は荒川区でも待ったなしです。他地域でも、年を重ね、身近な交通機関までの距離が一定程度長い方からは、バス停まで歩くのがつらいという意見もあります。一方、区は町屋さくら廃止に伴い「今後、福祉的な視点での新たな交通を検討していく」と約束していました。
現在のところ、福祉的な交通補助は、障害者の方にはありますが、高齢になってから歩行困難になった方にはありません。介護保険でと言いますが、世の中には介護保険タクシーというものがあっても、申請が煩雑で利用されてない上それ程安くはならないようです。広島県には要支援・要介護高齢者外出支援交通費助成があるそうです。とはいえ、すぐには実現は難しいと思います。町屋さくらが廃止になってから半年が経ちました。荒川区においても何らかの新たな交通を検討すべきと考えます。他の自治体の先行事例では、スマートフォン等を利用した乗り合いタクシーを運行しているところもあります。その後の検討状況はどうか、お伺いいたします。
参考になればと、別な観点で「駅」というシステムからの提案をします。当該地域について、具体的に考えてみました。1日の乗降客数は少ない時も平均300人はいました。乗り降りが多かったのは、荒川清掃事務所と町屋六丁目都営住宅の電停です。この2ヶ所に「駅」を作ったらどうかと考えます。駅という概念は古く、古代日本から存在しました。古い驛という漢字は、馬を繋いでいる場所という意味で、後々移動する人と馬が休憩する宿場町になりました。何も無いと通り過ぎてしまう場所も、目印があって日除けとベンチがあって待つことができれば、タクシーを頼むにも指示しやすいし、移動販売の車が止まったりして利便性が上がれば、より人が集まる場所になるのではないかと思います。この日本人に染み付いた「駅」というシステムを先に作ると何か変化があるかどうか、道の駅には変化がありました。名前にはこだわりません。住民の交流の拠点として整備してはいかがでしょうか。ともかく、できることは全て行ってほしいのですが、同業者も含め事業者や地域住民・利用者の意見をしっかり聞いて、次の一手を考えていただければと思います。期待しています。
次に、補助90号線の町屋から明治通りの区間、ゆいの森通りの整備についてお聞きします。現在、東京都が事業を進めている補助90号線ですが、大分空地が目立って来ました。用地買収が終われば、整備工事に着手することになりますが、以前の説明ですと、都市計画道路と都電の間に残る5m~7mの幅の用地についても道路用地と一緒に取得し、緑道として整備するとのことでした。その整備にあたりましては、ぜひとも、桜とバラを植栽していただきたいと思います。
三河島水再生センター周辺には、300本以上のソメイヨシノが植栽され、区内でも有数の桜の名所となっています。コロナ前には、下水道局が場内を開放してお花見のイベントが開催され、多くの方々が桜を楽しんでいました。
また、昭和の時代から区が軌道敷の端っこを借りて、バラの植栽事業を続けています。特に春と秋には、140種以上のバラが私たちを楽しませてくれます。バラの市の開催も12回を数え、区外からも訪れる人も増えてきました。
バラの手入れを担ってくださる荒川バラの会のメンバーも85名を超えたと聞きました。バラはすっかり区民に親しまれていますし、観光資源としてもしっかり定着したと思います。
今回整備する緑道は、都電と桜並木とバラのミュージアムのように整備すれば、ゆいの森との相乗効果も生まれ、区民の憩いの場となるばかりか、新たな観光資源となることも期待できるのではないでしょうか。そして、完成したあかつきには、区民に親しまれているバラを「区の花」として加えることも、ご検討いただきたいと考えますが、区の見解を伺います。
次に、西日暮里再開発についてお聞きします。8月2日の建設環境委員会で再開発ビルの検討状況の中で「私のひぐらしラウンジ」というコンセプト案が出ていると報告されていました。良い施設になることを期待しています。また、先日視察に行った立川のグリーンスプリングスでお聞きした、街としての「格」を上げることができる開発、100年後まで考える開発というのは、広く開発に通底するもので、この西日暮里の再開発もそうあってほしいと思っています。
近年、都内の商業施設では屋上が積極的に活用されています。銀座三越新館の屋上には、広い芝生スペースのほか季節の草花や樹木が植栽され、銀座の中心にいるとは思えない自然豊かな眺めとなっています。隣にはカフェも併設され、大人から子どもまで憩える空間となっています。東京中央郵便局のKITTEや数寄屋橋の東急プラザ、新宿丸井屋上庭園等、都市の中にあるこうした空間は開放感や癒しのスペースとなるほか、施設へ来る動機づけにもなっています。現在、西日暮里の再開発では商業施設が計画されていますが、その屋上の活用については未定だと聞いています。西日暮里の再開発において重要となる、施設のにぎわい創出に寄与する屋上の活用をぜひ実現していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
また、再開発後のエリアマネジメント・計画についてお聞きします。良好な市街地環境の形成・維持、地域の活力の増進などのため、住民・事業者・地権者等が主体的に取組む活動が各地で行われています。池袋のハレザ周辺では、事業者を中心にエリアマネジメント法人を設立し、ハレザ及びその周辺地域において、積極的に公開空地などを活用してにぎわいを創出し、有料のイベントなども実施できるよう、魅力向上に寄与することを目指していると担当者がお話していました。そのためには、活動・活用内容等を計画して、東京都からまちづくり団体としての登録を受けているそうです。西日暮里においでも、賑わいの継続は必要不可欠だと思います。こうした取り組みを考えてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。
最後に「シン・地域防災計画」で、「シン」というカタカナの文字を冠に付けてありますが、デジタル化を含め新しい時代の要請と技術革新に裏打ちされたというようなニュアンスがある言葉です。
来年は、関東大震災から100年目となる年であり、区の地域防災計画の見直しを行う年でもあります。なおー層の防災対策の強化が必要であることは言うまでもありません。今回は、質問通告をした中からデジタル化と復興計画の2点について質問させていただきます。フェーズフリー、川と空を活用、オープンデータ活用については、時間不足のため決算特別委員会の方でお聞きしたいと思います。なお、区の地域防災計画は、都の被害想定は参考にしつつも、区独自の視点で、新しい技術も取り入れながら真に区民の生命を守る有効性のあるものにしてほしいと考えています。
区では、昨年度、災害情報システムを導入し、災害時の新たな情報収集管理・伝達体制を構築しました。また、この間、ドローン事業者との協定締結や高所カメラの増設などにより災害時の情報収集体制の充実を図り、防災アプリのリニューアルにより、防災行政無線の放送内容を迅速に区民に伝達することが可能となったと認識しています。
今後、更に区民が的確に安全を確保するためには、災害時において区が収集した区内の被害情報など写真や映像等でより分かりやすく迅速に区民へ知らせることが出来る体制を構築する必要があるのではないかと思います。
ある民間の市場調査によると防災情報システム・サービス市場は2019年の718億円から2025年には1162億円まで伸びると予想されており、様々な技術やサービスが開発されていくものと認識しています。今後、防災分野においても更なるデジタル化を図っていくべきであると考えますが、いかがでしょうか。
次に、復興計画についてお聞きします。現在の地域防災計画において、復興に関しては14ページと、具体的な記載も少ないと記憶しています。阪神淡路大震災や東日本大震災の復興を肌で感じた世代として、区民の的確な復興を図るためには、区民が被災した際の罹災証明書の発行や生活再建に向けた相談体制の構築はもちろんのこと、道路啓開や倒壊家屋の除却など復旧体制を充実させていく必要があると考えます。復旧・復興においても区独自の対応には限界があるため、民間事業者との協定締結による受援の視点も重要だと思います。
家屋の罹災証明をいち早く出せる生活再建システムを導入するのは勿論のこと、復興完了へのタイムスケジュールやフローも必要だと思います。阪神大震災の7年後にはほぼ復興は完了していましたが、それでも遅いという住民の評価でした。復興住宅の建設も含めて、5年完了を目指すべきです。商店等の復旧は特に震災直後でも路上でも商売を継続していけるかのBCPが必要になる分野だと思いますが、事業継続計画を商店街単位でも作成することや、地域復興協議会を事前招集して復興計画を具体的に検討する等、前もってできることもあると思います。縷々申し上げましたが、災害後、計画的に復興を進めていくためには、より具体的な復興計画が必要ではないかと考えます、区のご見解を伺います。
以上、第1回目の質問を終わります。来年の4月には改選期を迎えます。今期最後の一般質問になると思われますので、理事者のみなさまの真摯なご答弁をお願い申し上げます。