自由民主党の明戸まゆみです。自由民主党荒川区議会議員団を代表して、質問をさせていただきます。一般質問の機会をお与えいただきました同僚議員の皆様に大きく感謝を申し上げます。
失われた20年、リーマンショック、東日本大震災を越えて、今年9月、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定しました。テーマは、「Discover Tomorrow 未来(あした)をつかもう」です。優れた交通網と輸送システム及び豊富な宿泊施設、良好な治安と安全性が評価されての決定は、私達東京に住む者にとっては誇らしい限りです。特別区長会会長として招致委員会評議会の委員としてご尽力された西川区長としては、喜びはひとしおだったのではないかと思います。世界の主要都市と比較して、東京はインフラは整っているものの、文化・スポーツ・芸術分野が弱い都市だと言われています。半径8km圏内に85%というコンパクトな会場配置のため、区内には競技会場はありませんが、役所内にも1,000万人余りの来訪者をおもてなしする部署を設置し、文化イベントやライブサイト等のフェスティバルの方で、参画していくことになるだろうと思われます。また、今回の開催により経済や雇用への波及効果等が期待され、所得水準の底上げも考えられます。この機会は、若者、生活保護者、障害者をはじめとする多くの区民の雇用促進にとっても後押しになると思われますが、今後の就労支援についての区のご認識をお伺いいたします。
また、この東京オリンピック・パラリンピック開催では、スポーツについての関心が高まり、何か始めてみようという区民も多くなるのではないかと思います。この機会を捉え、荒川区民の体力向上について見直し、促進させていくのも肝要かと思います。
荒川区の小中学校の9種目の体力測定の結果で、都の平均を上回った種目の割合は、小学校で21%、中学校で31.5%と比較的低くなっています。区立認可保育園、私立保育園、私立幼稚園数園では体育の専門講師が来て、安全性を確保した上で、マットでのでんぐりがえし、とび箱、鉄棒、側転等を行っているところもあるようですが、区立の幼稚園では施策として位置づけられてはいないようです。小さい時から運動に親しむことで、運動嫌いを減らし、区民の体力・運動能力の底上げを図り、ひいてはそれが健康につながってくるのだと思います。将来の体力・運動能力開発のために、区内の幼稚園の体育の施策を考えてはいただけないでしょうか。
次に、子どもの体力向上に寄与するボール遊びのできる場所の確保について質問いたします。千代田区は今年の春、「子どもの遊び場に関する基本条例」を制定し、曜日・時間帯を区切って公園に「プレイリーダー」を配置し、ボール遊びができるようにしました。千代田区では、これまで周辺住民や道路事情への配慮から公園内でのボール遊びは禁止していましたが、子どもの体力低下の背景に外遊びの減少があると考え、「子ども達が人間関係や社会規範を学び、体力や運動能力をつけるのに外遊びは欠かせない」と明記した本条例を制定するに至ったようです。
ひるがえって、荒川区の現状はどうでしょうか。小学生の放課後の過ごし方について、自民党荒川区議団では「放課後子どもプラン」を推進しておりますが、このことに関して、今週の月曜日25日に厚生労働相に要望し、村木厚子事務次官に直接要望書を手渡しました。放課後や休日のにこにこスクールや学校開放で遊んでいる姿や、夕方や休みの日にスポーツのクラブやチームで指導者の下で練習する子ども達の姿も見かけますが、保護者や学校関係者の看視の目があるこれらの場所で、心から遊んだと言えるかといえば、そうは思えません。友達同士で「もっと自由に遊びたい」と思う子ども達がたくさんいるはずです。その欲求に応えるためには、公(おおやけ)の庭(にわ)である区の公園は、これまで多くの人々の要求に対応してきました。その一つの機能として、ボール遊びの場を確保することも大切なことだと考えます。広さの関係で、全ての公園にそうした機能を付加するのが難しいのは分ります。せめて地域ごとにそういった公園を配置していただければと思います。またこの場合、公園の近隣にお住まいの方に、騒音や物的被害が及ばないよう、しっかり設備を整えていただきたいと思います。1996年に現文部科学省に提出された『青少年の野外教育の充実について』の報告のみならず、野外活動の教育的効果の高さについては多くの研究があり、定評があります。私立幼稚園保護者会からの要望もあり、お父さんが子ども達とキャッチボールができるよう、カードやゲーム機で遊んでいる子ども達を連れ出せるよう、整備していただきたいと考えますが、ボール遊びのできる場所の現状と今後の見通しについて、区の考えをお聞かせください。
次に、学校施設の、特に学校体育館の貸し出しについて質問いたします。小中学校の体育館や校庭などは、区民の方々が日頃から幅広く利用されており、利用状況は、極めて盛んで、どの学校の体育館や校庭もほぼ予約で一杯のようです。区民の皆さんがサークルをつくり、サッカーやバレーボールなどを通じスポーツを楽しみ、交流を深めていることは大変良いことだと思いますが、聞くところによりますと、学校体育館等の一時利用の受付は、各学校で主に副校長先生が中心になって行っているとのことです。
こうした中、3年ほど前ですが、施設利用でトラブルが起こりました。区内のある小学校の体育館の貸し出しで、2つのスポーツ団体に同じ日時に貸し出しをするという、いわゆるダブルブッキングが起こってしまいました。幸いにも、この時は、校内のランチルームが空いていましたので、大きなトラブルにはなりませんでしたが、もしランチルームが空いていなかったら、その日のスポーツを楽しみにしていた区民に大変なご迷惑をかけていたことと思います。
また、施設利用の受付方法は、各学校で様々なようであります。利用申請内容を受付簿に記入する帳簿処理型、パソコンで独自カレンダーを作成し、入力していくOA処理型など、統一されていないようです。先ほど申し上げたダブルブッキングの事例も、こうしたばらばらな事務処理を行っていることが一つの要因になっているのではないでしょうか。
また、副校長先生は、校内等を中心に大変多くの仕事を抱えながら施設利用の受付を行っています。平成23年2月の『小中学校の公務改善の方向性について』という東京都教育委員会の報告書によれば、学校の副校長先生の約90%が多忙感抱いており、勤務時間の平均が1日12時間、加えて休日に8時間を越えて業務を行っているという統計結果もあります。副校長先生のご負担軽減のためにも統一的な施設利用の受付方法を、ぜひ検討してほしいと考えますが、教育委員会のご見解をお伺いいたします。
併せて教師の多忙感の軽減策として、東京都が平成24年3月に打ち出している小中学校の校務改善推進プランで経営支援組織の専任支援職員の設置がありますが、荒川区での状況はいかがでしょうか。ホームページ更新やアンケート調査、労務管理等事務作業の多さで時間を取られ過ぎることのないよう、学校経営の要である副校長先生がサポートされ、副校長本来の教育の質の向上や若手人材育成等に従事してほしいと考えます。
また、地域社会との連携も多忙感が軽減できれば、もっと推進していけるのではないでしょうか。現在、区内の各学校図書館では、図書館ボランティアに地域の人が入り、読み聞かせ等を行っています。図書館だけでなく、私が直接お話を聞いた人だけでも、20代30代の区民の方が、英語や書道が得意だけど、何かお手伝いできないかという声を聞いています。放課後のにこにこすくーるや授業の中でも活用できる人材だと思いますが、窓口がありません。ぜひ教育委員会で学校支援ボランティアの登録窓口をつくって広く人材を集めてはいかがでしょうか。得意分野、ボランティア可能な時間帯、連絡先等々、先生達・にこにこすくーるの指定管理者等に閲覧してもらって、必要な時に必要な人材を活用できるようにできれば良いのではないかと思います。
区内小中学校のタブレットPC導入にあたって伺います。先月、「大人版PISA」「国際成人力調査(PIACC)」の結果が発表されました。知識の量というよりも「日常生活に必要な常識テスト」で、分野は「読解力」「数的思考力」「ITを活用した問題解決力」で、24ヶ国中、2分野で日本がトップということでした。今回、「ITを活用した問題解決」という分野が評価の対象になったということは大きな変化だったと思います。
荒川区では学校教育にタブレットPCをより早く導入するということで、自民党荒川区議会議員団は、この夏に西川区長に対して申し入れをしました。「タブレットパソコンの導入にあたって」ご留意していただきたいことは、以下の8項目です。①学校教育において基本となる「読み、書き、そろばん」が授業の根幹であることを今後も徹底すること、②タブレットパソコンの導入にあたっては購入効果を十分発揮させるとともに、使用しない時間帯には他の学級で使用するなど効果的な運用を図ることで、活用時における1人1台体制を確保するなど、経費の抑制に努力すること。③子ども達がタブレットパソコンを活用して主体的な学習を進めていくため、教員に対し十分な研修を行うこと。④子ども達がネット依存に陥ることのないよう、十分な情報モラル教育を行うこと。⑤タブレットパソコンの推進と併せ、学校図書館のさらなる充実に向け、学校図書館をクラス単位で積極的に活用するなど、教員と図書館が連携した教育を推進すること。⑥国庫補助金の確保等、財源確保に向けた取り組みを積極的に推進すること。⑦全校導入にあたっては、業者から提案を提示し競わせるなど、新年度に向けより効果的な契約方法について検討すること。⑧全校導入にあたっては、十分な検証と併せて全教員への研修など十分な期間をかけること、の8項目です。
教育委員会では、本年9月から小学校3校、中学校1校において、試行的にタブレットPCを導入し、文教子育て支援委員会でも、モデル校4校を視察させていただきました。従来から導入していた電子黒板で先生が操作に慣れていたためスムーズに授業が行えていたこと、社会の時間で歴史資料等を効率よく表示できたり、タブレットPCと電子黒板の連動で他の児童の解答と比較でき、考え方の違いを理解できるようになる等は良かった点だと思います。反面、途中で画面が表示できなかったり、操作方法の分からない生徒がいたりして、時間の掛かることもありました。各学校で具体的に活用を進めていることと思いますが、タブレットPCの導入効果や授業を行う上での課題等に関する検証は、どこまで進んでいるのかお教えください。今後、さらにモデル校での検証を進め、その結果を区議会に示してほしいと思います。「学力向上」や「子どもの貧困問題」に対しての効果を期待しつつ、今後注視して参りたいと思います。
さて、今年9月に発売された荒川区の観光大使もお務めいただいております片岡鶴太郎氏の『今日も日暮里』という小説があります。その後半「低空飛行からの脱出」の章の中で、かつての荒川十中在籍中に、それまで勉強をせず学校の成績も良くない主人公「シゲオ」が、中学3年時の期末テストで、「このままでは都立高校に入れない」という先生の言葉を聞いて、夏休みの間に勉強をして新学期には挽回したという下りがあります。朝8時から夜中の12時まで、食事と銭湯に行く以外に打ち込んでいたのは、小学校6年生に遡って本屋さんで買ってきたドリルでした。本を引用しますと、「長年、《無知》に覆われていた視界が、(…)扉を開かれ(…)〈勉強って、解ける楽しみのことなんだ!〉とそんなふうに思えるほどまでにな」り、そして、この時の経験を思い起こして、著者は「ボクはこのとき、《人生の核》となる生き方を、手にしたのだと思う。(…)《やればできる》、くり返し、くり返し、何度も、何度も(…)くり返すことよりほかに、道はない(…)目的の地への道すじだけは、いつもくっきりと見えている」と言っています。私の経験でも、私の小学校3-4年生の時の先生は教室の隅に数百枚ものテストを置いて、子ども達は1枚終わったら答え合わせをして自分のペースに合わせて、次々と好きなだけ算数の問題を解くことができました。テストに緊張しなくなり、何度も同類の問題をこなすことで、まさに鶴太郎氏と同様に問題を解く楽しさを体験をし、今思い返しても良い経験だったと思います。今回荒川区の小中学校にタブレットPCを導入するということで、繰返し繰返し行うことで学力が定着するドリル学習を全校生徒が利用でき、また学年を遡って勉強できて落ちこぼさないような環境が整わないだろうかと思うのですが、いかがでしょうか。また、タブレットPCを活用したドリル学習については、授業中だけでなく放課後などの補充学習でも効果を発揮すると考えますが、見解を伺います。
どこの学校へ行っても、タブレットPCは道具であるという先生方の言葉を聞きました。ただし、人間の「アルス(アート)(=術)」が道具に既定されてしまうということはあると思います。スペイン、アルタミラの洞窟の壁画は1万5000年前の旧石器時代の技術、レンブラントの時代の絵画は17世紀の油彩の技術でできています。写真や映画が芸術の仲間入りをしたのはまだ100年ちょっと前のことです。現代の美術館には、多くの現代的な技術で驚くべき作品が形作られています。子ども達は豊かな創造力と無限の可能性を持っています。せっかく現代の技術を他に先んじて導入するのですから、デジタルの力を最大限に活用し、子ども達の能力を引き出すために、小中学生を対象にした静止画・動画も含めた「デジタルアート・コンテスト」を行ってはいかがかと思うのですが、区の見解を伺います。テーマは「ディスカバーあらかわ」とすれば、タブレットPCを地域に持ち出し、地域の良いところを見つけ、地域に対して誇りを持つ心を育てることができるのではないかと思います。
次に、人間力を育む「遊び」の普及について質問します。区内の学校でも情操教育に様々心を砕いていると思いますが、名前を呼ばれても何の反応もない子どもが時折見受けられ、心配になることがあります。タブレットPC導入でデジタル力を付けると同時に、アナログ力の育成にこれまで以上に力を入れなければなりません。すでに、西日暮里の「冒険遊び場」や生涯学習センターの「中高生リーダー研修」等でお世話になっている東京学芸大学特任教授の大熊雅士(まさし)氏のワークショップ、「地域子育て教室―遊びで伸びる!子どものコミュニケーション力」に以前、参加したことがあります。「ホスピタル」「連帯王様ゲーム」「ココアの川」をご教授くださいましたが、感情表現を促したり、協力して問題解決するといった効果の良く分る工夫された素晴らしいゲームでした。近年「競争」ばかりの世の中で、「協力」や「感情表現」が損なわれつつある反省として、必ずや子ども達の豊かな将来につながると確信できるものでした。こういった人間力を育てる「遊び」の普及のためには、遊び方を解説した冊子でも作って普及してほしいところですが、まずは多くの子ども達がこういった遊びを体験できるような機会をつくってほしいと思います。いかがでしょうか。区の考えをお教えください。
子ども達に目標を示すという意味では、われわれ大人が率先して「協力」して問題解決をしていく「背中」が、子ども達の社会に一番影響を与えるのだと思います。
オリンピック・パラリンピックの開催で、もう一つ視野にいれなければならないのは、観光です。観光は文化・スポーツ・芸術、インフラも含めてそのまちの良さを総合的にコーディネートしなくてはいけない分野のものです。荒川区には地域固有の多くの魅力があります。それは、まちなかに点在する歴史あるお寺や神社であり、隅田川の水辺空間、区内を東西に走る都電、その沿線を彩るバラ、荒川遊園や自然公園のみどり、そして、人情味ある商店街、今も息づく町工場の匠の技術や江戸からの伝統技術、地域に根ざした食文化であるもんじゃ等々…まだまだ、挙げるときりがありません。
こうしたものを、私は地域の資源として、もっと内外にアピールしたらよいと思います。そして、多くの方々に荒川区を訪れていただき、その良さを知ってもらって、楽しんでもらいたいと思います。区民にとっても地元の新たな魅力に気づく機会になります。地域への愛着が深まるきっかけにもなるのではないでしょうか。このように、地域の魅力を高め内外へ発信することにより、区内ににぎわいがうまれ、地域の活性化につながっていくと考えます。
それには、区内の様々な分野に関わる人達、区民や区内事業者、交通事業者、宿泊業者、行政等の力を結集する必要があります。ボランティアガイドを含め、ここ数年で区民の側で観光に関わる人も増えてきています。そこで、こうした関係者が一堂に集まって、意見交換、アイディアを出し合う会議体を立ち上げることを提案いたします。
もちろん、現在は1年半後に控えた「奥の細道千住あらかわサミット」の準備で忙しい時期ですし、最初からうまくいくとは思いません。が、何とかして7年後のオリンピック・パラリンピックの年には間に合わせたいと思いませんか。まずは、こうした地元の魅力発信やまちおこしに関心や意欲のあるメンバーを集め、荒川区の観光について話し合う場が必要だと思います。5年前に発足した国の観光庁が行っていた施策でも、人材育成やブランドづくりとともに、重要視されているのは「観光地域づくりプラットフォーム」を組織することです。私が事務局をしている「あらかわ区まちの駅ネットワーク」も27駅で参加する所存ですので、よろしくお願いいたします。観光まちづくりのリーダーシップを発揮し継続性を確保するこうした組織の必要性について、区の見解をお聞かせください。
こうした会議体で力を結集するといっても、やはり何か目標がないとなかなか難しいと思います。そこで、旗印として、「(仮称)あらかわ したまち博」の開催を掲げてはいかがでしょうか。「あらかわ したまち博」という名称は、もう少し練る必要があるかとは思いますが、荒川区全体を博覧会の会場に見立てて、楽しんでもらうというイベントとお考えください。
まち全体の博覧会といえば、長崎市の「長崎さるく博’06」が有名です。「さるく」というのは、長崎の方言で「ぶらぶら歩く」という意味ですが、この博覧会は、従来型の大掛かりなパビリオンは1つもなく、その代わり42のまち歩きのコースを作り、実際に歩いて長崎の魅力を堪能してもらうものでした。そして、コースづくり、まち歩きのガイドをはじめ、企画から実施までをすべて市民の力で行ったということが非常に特徴的で、先駆的な事業として注目されました。長崎を訪れる旅行者の減少にも歯止めがかかったとのことです。旅行者のニーズが団体ツアー旅行から個人で楽しむ旅行へと変化していた観光業界において、これからの観光ツールは「まち歩き」ということを方向づけた成功事例でした。
その後、各地でこのように「まちを歩いて魅力を楽しむ」博覧会が開催されるようになっています。福島の「八重と会津博」、福岡の「博多秋博」、観光庁の復興応援事業「東北観光博」…最近では、ただ歩くだけでなく、名物料理の食べ歩きやゲームイベント、伝統工芸の見学や体験など、その地域ならではの様々な見どころを組み込んだコースで、楽しませてくれるようです。荒川区でも、区民によるこうした博覧会の開催をめざして、先に述べた区内の様々な担い手による会議体を立ち上げ、進めていってはいかがかと考えます。
また、こうしたイベントの開催に当たっては、参加の方法もいろいろあると思います。島根県がインターネットを通じて不特定多数の人から資金を集めるクラウドファンディングという手法で、NPOや市民団体が行い地域活性化事業の資金を調達する試みをしています。これからはこうした手法を活用するのも一つかと考えます。まさに区民の手によるイベントになります。区民による企画・実施で、このように荒川区全体の魅力を発信するイベントの開催について、区の見解をお聞かせください。
次に、観光振興の視点からのオープンデータの推進についてお尋ねします。
最近、「オープンデータ」という言葉を耳にする機会が多くなっています。オープンデータとは、「公共機関が保有するデータを」「利用可能な形で公開することにより」「民間による利用・再利用を促し」「新たな価値を創出する」運動のことをいいます。世界レベルで見ると、2009年のオバマ大統領のオープンガバメント宣言を皮切りに、欧米を中心に各国に広まり、今年6月のG8(主要8か国首脳会議)においても「オープンデータ憲章」が合意されるなど、世界的な課題として位置付けられています。我が国でも、アベノミクスの成長戦略の一つとして掲げ、積極的に推進する方向性を打ち出しており、実際に総務省や経済産業省において先行的な取組が始まっているようです。
自治体においても、福井県鯖江市などが先鞭を付けて取り組んでおり、市が公開した観光や施設などに関するデータをもとに、市民や民間団体の手で、「街なかぶらりマップ」や「最寄りのトイレまでの徒歩ナビ」、「市内バス運用状況」など、様々なアプリが生み出されています。この鯖江市の事例は、市が保有するデータを公開する仕組みを作るだけで、市民や地元企業がそれを自由にアレンジし、地域の活性化につなげた好事例であると思います。
私は、荒川区において、このオープンデータの取組を観光振興の視点から始められないかと考えています。区内には、数多くの観光資源があります。ふらっと歩きながら感じる街の雰囲気そのものが魅力です。これを区民だけでなく、区民以外の方にも体感してもらうのが観光であり、そのナビゲートをするのが各種の地図情報だと思います。現在、荒川区では様々なマップやパンフレットを作成し、公共施設の窓口や区内のPR協力所において配布しています。紙媒体なので分かりやすく使いやすい点もありますが、実際に手にする人が限られてしまうという点もあります。
情報は「欲しいときに」「どこでも」「タイムリーに」入手できることが重要だと思います。そこで、これらのマップに掲載されている情報始め、トイレ、AEDの場所等、観光資源に関連する情報を区がオープンデータとして公開し、そのデータを区民や区内企業に自由に活用してもらい、例えばスマートフォンのアプリ開発などにつなげていくというのはどうでしょうか。区の見解をお聞かせください。
その他、宿泊施設の情報の整備、東京都を動かしての隅田川沿いの整備で「川の駅」、日暮里駅前の広場の観光案内所等、こまごまとした要望もありますが、将来的展望として視野に入れていただければと思います。
以上、質問を終わります。理事者のみなさまには真摯な回答をお願いいたします。
(文字数:9,440)
全国のまちを訪ねてみて思うのは、その地域の教育に対する熱心さと、地元地域に対する誇りは比例するということです。米百俵の長岡市もそんなまちの一つでした。百俵の米をみんなで分けて食べてしまうか、将来を担う子ども達の教育に使うか、目の前にある税金という原資を、ぎりぎりの財政の中で、われわれはどのように使うのかということを迫られているのです。しかし、お金をかけるだけが教育でないことは、ここにいるどなたもが知っていることです。中身が大切なのです。本物の教育をぜひお願いいたします。
塾を含めた教育費の高騰は、少子化の一つの原因だと思います。安心して義務教育とその補習の中で、高い学力をつけることができれば、競争とともに協力して生きることができれば、もっと子どもが増えていくのではないかと思います。
以上で一般質問を終わります。